教師が、主体的な学びの資質を培い、これを子どもたちの主体的な学びに生かすためには、同時にそのような活動が受け入れられるように学校の風土を醸し出していかなければなりません。つまり、組織開発する必要性があるのです。久保田は、次のように述べています。「学校文化が、自然に構成主義に移行するわけではない。変わるのを待つのではなく、一人ひとりが対人関係のいろいろな場面で変えていく努力をすることが必要である。新しい教育を実践するためには、一人ひとりがその変革の過程に参加することである。そのために、まず学校において相互の学びの理解や創造性を深化させる活動を地道に続けていくことだ」[久保田2003]。これは、正論であると思います。しかし、教師一人ひとりに委ねるだけではいけません。なぜならパーマーが指摘しているように、「教師は改革という言葉を口にはしますが、組織を否定することはしません。なぜなら、組織は巧妙に教師の恐怖心を利用することを知っているからです」[パーマー2000]。したがって、実効性ある改革のためには組織の長である校長や教頭が先頭に立つ必要があります。アンカーとして学校全体の主体的な学びを推進(drive)する職責があるのです。さらに、私はスクールリーダーの肝要な取り組みとして、組織内に弁証法的統合の考え方を浸透させる役目を担うミドルリーダーを育成する仕組みを創ることが必要であると考えます。このことは、すなわち持続可能な学校風土を培う足場(scaffolding)を遺すことを意味するからです。(第4講 スクールリーダーとしての組織開発のドライブフォースから抜粋)
学校改革における校長の職責とは?
更新日:3月6日
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