孤独は、融即(participation)の拡大によって生じるものと言えます。ワロンが指摘するように、「集団活動への主体の参加(融即)が発展するにつれて、自我と他者の関係はますます匿名的に、カテゴリー的になっていきます」[ワロン1985]。つまり、幼少初期には母親を中心に融即関係が築かれました。その後は、家族以外の様々な人と交わっていくことになります。教室の他者と集団活動をしていくと、融即の観念が発揮され、仲良しグループができます。さらにワロンは、「秘密の共有によってその人と緊密に結びつき、同時にその人に依存するようになっていきます。自我は他の人と結びつくことによって自らを拡大し、同時に自分自身からなにかを疎外させてしまうのです」[同書]と述べています。 孤独は辛いものです。親なら誰でも大切な我が子にその思いをさせたくはありませんが、融即の観念がある限り、残念ながらこれから守ることはできないように思います。(第3講 融即の欲求がもたらす孤独より抜粋再構成)
孤独とは?
更新日:3月6日
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